航空機墜落調査班のメンバーである心理学者ノーマンは、召集を受け、南太平洋へ飛んだ。海底に沈んでから少なくとも三百年は経過している宇宙船が発見されたというのだ。ノーマンをはじめとする科学者チームは、海底居住施設を拠点にして、船内の調査をする。未知の生命体との遭遇に脅えながらも船内深く到達した彼らの前に、不思議な球体が出現した。『ジュラシック・パーク』の著者が放つ傑作エンターテイメント。
居住施設に戻った科学者チームの周囲では、奇妙な出来事が続発する。突如モニターテレビに謎の数字が並び、海底ではエビや発光するイカやクラゲが異常発生し、さらには狂暴なオオイカの触手が彼らを襲う。すべては謎の球体に関係があると考えたノーマンは、再び宇宙船へ乗り込み、球体とのコンタクトを試みるが…。ハイテク機器を用いた深海調査や、心理学、海洋学の豊富な知識を随所にちりばめた興奮の深海サスペンス。
映画「スフィア(1998)」のあらすじ
心理学者のノーマン・グッドマン(ダスティン・ホフマン)は、政府の緊急要請を受けて、海上にある軍の調査船へと急行する。そこには、彼のほかに生物学者のハルペリン(シャロン・ストーン)、数学者のアダムズ(サミュエル・L・ジャクソン)ら即席のプロジェクト・チームの面々がいた。招集の目的は、300年以上も前に海底に墜落したと思われる宇宙船の内部調査であった。そして、深海の宇宙船内で彼らは、金色に輝く謎の球体「スフィア」を発見する…。
『ジュラシック・パーク』のマイケル・クライトン原作、バリー・レビンソン監督のSF海洋サスペンス。『イベント・ホライゾン』など、宇宙のナゾに触れると、精神に異常を来たすといった映画はいくつかあるが、この作品もそのひとつ。形はSFだが、内容的には心理サスペンスといっていいだろう。豪華な役者陣による、密閉空間での緊迫した心の駆け引きが一番の見どころだが、海底を漂うクラゲの大群や揺らめく金色の球体など、幻想的な映像美も心に残る。(茂木直美)
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