香港からデンバーへ飛行中の大型旅客機から、ロサンゼルス空港に緊急着陸の要請がはいった。空中で異常事態が発生し、多数の負傷者と死者が出たというのだ。かろうじて着陸した旅客機の内部は、壊滅的な惨状を呈していた。シートはつぶれ、裂けた天井のパネルからは配線や断熱材がむき出しになっている。―いったい、何が起こったのか?事故機を生産したノートン社では、緊急会議が招集され、ただちに事故原因究明チームが結成された。ボーイングやダグラスと並ぶ業界最大手のノートンでは、中国との大規模な契約が進行中だった。もし一週間以内に事故原因が究明されなければ、契約が流れることは必至だ。そうなれば、競争の苛烈なこの業界で、ノートンが生き残るチャンスはない。崖っぷちの状況に立たされたチームのメンバーは、必死の調査を開始するが…卓抜なアイディア、無類のストーリーテリング、そして文明批判を含んだ過激なテーマ―つねに時代を揺るがしつづける「超頭脳」クライトンが、航空機事故の急増を予言して全世界を震撼させた大型ビジネス・サスペンス。
事故原因を究明中、衝撃的な映像がノートン社を直撃した。事故の瞬間を写した乗客のビデオテープがテレビ放映されたのだ。飛び交う悲鳴、壁に激突する乗客。さらに煽情的なテレビ局が、ノートン社の企業責任を追求しはじめる。マスコミの激しい圧力に、追い詰められていく事故調査チーム。やがて、大事故の裏に浮かび上がる戦慄の事実とは?
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